X Values STORY

全社員が愛着を持てるビジョンを目指し、
共に歩む未来をとことん語り合いました

2024.10.07

私たちNTTデータ東海は、NTTデータ東海支社、NTTデータ東海テクシス、東海NTTデータ通信システムズの合併により、2003年7月に設立され、2023年に20周年を迎えました。そして、2024年4月に新たな全社ビジョンである「X Values(クロス・バリューズ)」を発表しました。これは2023年10月〜11月にNTTデータ東海の全社員に行ったワークショップで方向性が導き出され、それをベースに全部門から集まった17名のワーキンググループのメンバーたちが約4ヶ月をかけて創出した、新たなNTTデータ東海のありたい姿を示したものです。そこで、どのような背景で当プロジェクトがスタートし、どのようなプロセスを経て新ビジョンが固まっていったのか、座長を務めた取締役経営企画部長の森本が語ります。

この記事に登場する人

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    森本博愛

    株式会社NTTデータ東海 取締役経営企画部長
    1996年株式会社NTTデータ入社
    公共系大規模システムの営業担当からキャリアをスタート。その後、全社の新規事業創出ファンドの立ち上げや、オープンイノベーションフォーラム「豊洲の港から」の企画・運営を担い、公共の新規系領域の営業に復帰後に、企画部門で部長昇格。以降、事業拡大のための戦略立案と人財育成・組織力強化に関わる事業運営に携わり、2023年7月にNTTデータ東海取締役経営企画部長に着任。

    ※掲載内容は取材当時のものです

目指したのは顧客を強く支援する新時代のビジョン

設立20周年を迎えた2023年度までNTTデータ東海には、17年間にわたって掲げられてきた全社ビジョンがありました。それは「プラスワンサービス&プラスワンバリュー」という言葉で、NTTデータグループの一員として常に先進的かつ客観的な視点でお客様の事業領域を捉え、ITプロフェッショナルとしてお客様のご期待にお応えするために絶え間ない自己研鑽を図っていくという想いが込められていました。言わば、お客様の中で顕在化しているお困りごとや懸案課題に対して、最新・最適なITの提供によって一つ一つ着実に解決していこうとする姿勢の表明でした。そして、このビジョンのもとで私たちは過去10年で売上を約100億円から約200億円へと倍増させてきました。

しかし、近年のお客様の事業環境の変化において、「プラスワンサービス&プラスワンバリュー」のコンセプトではカバーできない面が目につき始めました。例えばグローバルレベルでの政情不安定や、高齢化社会が進む中での急激な社会・産業構造の変化、生成AIに代表される革新的なテクノロジーの誕生などを前に、多くのお客様が不透明な事業環境の中で先々の予測が難しい経営判断を迫られています。そうしたお客様とこれからも重点課題を共有し、未来を共創していくには、私たちも変化を捉え、プラスワンを大きく超える成果を提供しようとする姿勢が必要であることを強く感じ始めたのです。具体的には、効率化や省人化といった目に見える数値目標を達成する従来型のITサービスのみならず、新しい時代変化を見据え、お客様の事業変革を強力に支援する真のソリューションを提供していくべきだと捉えました。そこで設立20周年という節目に、慣れ親しんだ従来ビジョンをアップデートし、全社一丸となってこれからの時代が求めるITビジネスに取り組む想いと、近い将来に売上高を300億円以上に拡大するための事業戦略を表現した新ビジョンの策定を決意したのです。

社員全員参加で語り合い、自分たちの未来を創る

今回の新ビジョン策定プロジェクトを起案したのは前社長でしたが、実際にプロジェクトを前に進めたのは社員たちです。2023年9月に全社員に新ビジョンに関するアンケートを実施したのちに、10月から全社員が参加できるよう、16回のワークショップを開催し、組織の現状理解とありたい姿をイメージするためのディスカッションを行いました。そして、そこでのアウトプットをもとに、公共、金融、法人、新社会基盤の各事業部と経営企画部から集まった計17名のワーキンググループのメンバーによって、今、そして未来のありたい自分たちを模索しながら、自ら掲げる新ビジョンの創出を進めました。

このように全社員参加型のビジョン策定に舵を切ったのは、社員の大半が地元愛の強い東海地方の出身者であり、一部の他の都道府県出身者も名古屋や近郊都市に居住してこの地域への愛着が芽生えており、誰もが東海エリアの社会や産業の発展に貢献していきたいという想いを強く抱いていたからです。そんな社員の集団なので、地場のIT企業としてお客様に頼りにしていただける自分たちを具現化したビジョンを描き出すはずだと確信を持って想像できたのです。

足し算の姿勢の延長上に生まれた、掛け算による価値創造

私は新ビジョンの原案を決定するワーキンググループにおいて座長を務めましたが、終始サポートに徹していました。17名の社員主導によるディスカッションは回を重ねるごとに白熱し、検討されるビジョン案は議論を経て洗練され、ありたい姿の輪郭がよりはっきりと見えてきたため、私が軌道修正を行う必要など全くありませんでした。最初に行われた全社員対象のビジョンアップデートのためのワークショップで、さまざまな角度から現状理解とありたい姿が徹底討論されましたが、その熱量をワーキンググループが汲み取ってくれました。

そうした活動の結果、新ビジョンとなったのが、「X Values(クロス・バリューズ)」です。また、「〜多様なValues(価値観)をかけあわせて、新たなValue(価値)を創造し続けます〜」という、新たな行動指針も具体的にすることができました。実は、お客様に着実に価値を加える姿勢を表明した以前のビジョンに今も愛着を感じている社員が多く、それを乗り越えるビジョンの創出は困難ではないかという懸念が当初にありました。ところがワーキンググループのメンバーたちは、従来の「着実な足し算(プラス)」の精神を持ちつつも、複雑な社会情勢の中で新たな「価値創出を実現するかけ算(クロス)」に見事に進化させてくれました。

多様な価値観や多様な人財・ステークホルダー、多様なニーズ、多様なテクノロジーを大胆かつ柔軟に組み合わせて、今まで成し遂げられなかった成果をお客様に提供していく…この新ビジョンは、確実にNTTデータ東海を新しいステージに引き上げることでしょう。

すでに動き始めているX Values(クロス・バリューズ)

2024年4月の全社員に向けた新ビジョンのお披露目では、社員たちの誰からも満足のいく表情がうかがえました。プラス(足し算)からクロス(かけ算)という単純な四則演算の言葉の変更に見えますが、それを体現するには行動そのものを変えよう!という想いや、社内とも社外ともつながっていこう!という願いが共感されたのだと思います。この新ビジョンのもとで明日から日々の仕事に向き合っていきたいと言うポジティブな意見も耳に届きました。そして早くも、X Values(クロス・バリューズ)を体現するかのような成果が、幾つかのプロジェクトで見え始めています。事業部間を横断する人財交流や協業も活発化しています。新しい時代のITは、従来の方法論や枠組みにとらわれないはずだという意識が社内に浸透し、社員一人ひとりに大胆な挑戦をしたいという想いがすでに息づいていたのだと、今は確信しています。地域への強い想いを持った社員全員が紡ぎ出した新ビジョンで、今までにない取り組みに着手し始めたNTTデータ東海にご期待ください。

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