X Values STORY

シニア×教育で挑んだBtoCの新ビジネスが、早くもクロス・バリューズの価値を証明しました

2024.10.07

2023年4月。NTTデータ東海が新ビジョンの「X Values(クロス・バリューズ)」を発表する前年に、このビジョンを体現するかのようなプロジェクトが動き始めていました。それは、名古屋市がシニア市民のために開校したリカレント教育のための教育機関である「鯱城(こじょう)学園」における教育事業です。今までの主要事業であるシステム構築とは一線を画すこの取り組みでは、高齢者のITリテラシー向上を進めるICT講座を企画するとともに、NTTデータ東海の社員がその講師役も担うことになりました。このビジネスが、どのような未来を引き寄せる可能性を見せたのか、2024年度より同プロジェクトのリーダーを務める金融系事業部(第二事業部)のM・Sが紹介します。

この記事に登場する人

  • M・Sの写真

    M・S

    第二事業部 第三金融ビジネス担当
    2022年入社
    入社後、金融系の顧客を担当する第二事業部に配属され、半年ほど信用金庫向けのソリューション営業に従事。その後、新規ビジネス創出担当に異動。現在まで、スタートアップ企業等と連携して地域金融機関とその顧客である地域社会の発展、豊かな生活を目指して多様なビジネス創出に取り組んでいる。2023年に、現在の鯱城学園プロジェクトに参加する。

    ※掲載内容は取材当時のものです

今までのNTTデータ東海の殻を破るチャレンジ

名古屋市高年大学鯱城学園は、高齢者が新たな学習の機会を通じて生きがいを高め、学習の成果を地域社会で実践し、 積極的な役割を果たしていくことを目的に、名古屋市が1986年に開設したリカレント教育のための学校です。文化や教養などに関する多彩な講座が設けられており、60代から80代の学生が名古屋市中心部の教室に通っています。この鯱城学園に、以前からシニア向けビジネスの創出を目指してさまざまなニーズの収集活動を行っていた第二事業部が訪問したところ、ICT講座の新設と講義自体の実施をご依頼いただけることになりました。NTTデータグループの主要事業は、公共機関や企業が使用する基幹システムや情報系システムを開発し、安定運用を支援するBtoBのビジネスモデルです。ところが、鯱城学園で挑むのは一般の方々を対象にするBtoCの教育事業になります。私たちが提供する講座の内容は、スマートフォンやLINE、キャッシュレスサービスなどの利活用から、デジタル社会とは何かといったアカデミックな内容まで多彩です。この、高齢者一人ひとりのITリテラシーを向上させるという目標の追求は、今までに経験したことのないチャレンジングな新ビジネスでした。

試行錯誤を経て高く評価された取り組み

私がこのプロジェクトに関わったのは、講座開始の初年度である2023年からです。当初は準備をしてきた先輩たちの主導です。私は先輩のアシスタントや事務処理の担当でした。先輩たちは従来からの主要業務を抱えながら、こちらでは今までの当社にはないビジネスモデルを築こうとして、試行錯誤の連続。私も自分たちの価値を鯱城学園でどのように発揮していけるのか考えながら、前を行く先輩たちを必死に追いかけていました。そして、2024年度からは私が現場の実質的なリーダーを任されたのです。先輩たちの想いが託されたことを光栄に感じ、過去1年で学んだ知識とノウハウをベースに、3名の後輩とチームを組み、プロジェクト全体の取りまとめ役に加え、鯱城学園とのやりとりを行う営業担当も担いました。さらに講義まで受け持ち、他にも全学生を対象にした講演イベントの企画と実施も担っています。前回の講演では、世界最高齢のプログラマーである若宮正子さんをお招きし、高齢者がデジタル社会の暮らしを楽しむ秘訣を語っていただきました。

以上のような鯱城学園における私たちの取り組みは、高齢者の学生の皆さんからも、鯱城学園の関係者の皆さんからも高い評価を受け、追加の協力依頼も届いています。

価値のある気づきや想像を超えた意義を得る

私たちが鯱城学園プロジェクトを通して得たのは、シニア×金融のコンセプトで新たなITビジネスモデルに向かうための貴重な足がかりです。このプロジェクトを試行錯誤しながら進めていくなかで、多くのシニア層の方々と直に結びつくことができました。このつながりからは、今後のシニア向けビジネスに向けたさまざまなアプローチを行うために有効な知見を多数得ることができました。これはこの機会がなければ得ることができなかった、大変貴重で有意義なものです。そして、第二事業部は金融系の顧客を対象とした事業を展開する部門であることから、スマートフォンを利用した資産運用・管理システムや、事業承継支援システム、相続関連のシステムなど、シニア層向けの新しい金融システムの開発に光を照らすことができたと言えるのです。

クロス・バリューズの大きな可能性が見えた

2023年に鯱城学園プロジェクトで実際の講座運営が始まって数ヶ月経った頃、会社全体を巻き込んだ新ビジョン策定プロジェクトがスタートしました。秋には従来のビジョンをアップデートし、自ら新たな未来像を築こうという全社員参加型のワークショップも開催されました。私は新ビジョンをつくる活動にわくわくする一方で、自分たちが取り組んでいる鯱城学園プロジェクトも、未来開拓型の新事業形態を築き上げようとするプロジェクトであることから、方向性や想いがシンクロしているように感じていました。実際に2024年の4月に発表された「クロス・バリューズ」という新ビジョンを聞いた時、今まさに自分たちのやっていることではないかという驚きと共感、そして納得感がありました。鯱城学園プロジェクトは、NTTデータ東海×教育×金融×シニアという、多様な価値を掛け合わせていく次世代ビジネスを引き寄せようとしています。このプロジェクトが新ビジョンのロールモデルの一つになるように、「クロス・バリューズ」に込められた想いの追い風を受けながら、挑戦を続けていきたいと考えています。

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