project story
 
NTTデータ東海 × 金融分野

地銀・信金での豊富な実績を背景に、法改正に伴う新規システムの開発に着手

NTTデータ東海 × 金融分野

NTTデータは、日本国内の金融機関相互の為替取引をオンラインで行う全国銀行データ通信システム(全銀システム)の開発と運用を担ってきたことが示すように、国内の金融機関を連携するシステムの構築を牽引してきました。その中でNTTデータ東海も主要な役割を果たし、多くの金融機関の基幹系システム等の開発に深く関わっています。ここでは、新たにある金融機関を対象に最上流工程から携わった新規顧客・新規開発案件への取り組みを紹介します。

[ outline ]
2024年4月よりマイナンバー制度に関する新しい法律(口座管理法・口座登録法)が施行されることになり、各金融機関システムでもそれに対応するためのシステム改修が必要となった。特にある金融機関が利用する基幹系システムには機能追加で対応させる仕組みが用意されておらず、新規での開発が必要だった。そこでNTTデータが開発を託したのが、金融機関システム開発に実績のあるNTTデータ東海。開発プロジェクトのスタート当初から、他の金融機関との調整による変更依頼の続出に技術力を試されるかのような対応を余儀なくされた。
  • N.I.
    金融分野 開発担当 / 課長
    2011年入社

    1992年にNTTデータに新卒入社。バンキングシステムの各種開発に深く携わった後に、地元(岐阜出身)に生活の拠点を置きたいと考え、NTTデータ東海に自主転職。経験と人脈を活かしPMとして活躍中。

  • Y.K.
    金融分野 開発担当 / 課長代理
    2007年入社

    入社以来、金融機関基幹系システムのさまざまな機能追加開発に携わり、現在はPLとして開発現場を率いている。今回のクライアントにおける顧客管理システムの開発には培った経験が存分に活かされた。

  • H.T.
    金融分野 開発担当 / 勤務
    2022年入社

    大学院では応用生命科学を研究したが、地元(愛知)中心地にオフィスのある企業に興味を持ち、NTTデータ東海のインターンシップに参加。IT初心者だったが開発内容と社風の良さに惹かれて入社を決めた。

※掲載内容は取材当時のものです(2024年10月)

[ #1 ]プロジェクトのミッション

新規顧客のマイナンバー対応システム開発案件

  • N.I.

    弊社金融分野は金融系の顧客を対象とした開発案件を担っており、東海地方に本拠を置く地銀や信用金庫のIT活用に深く関わってきました。また、共同利用型基幹系システムの開発においても、NTTデータと共にさまざまな機能開発を行ってきました。そうした中、2022年にNTTデータと共に、ある金融業態のマイナンバー対応に向けた新規開発を新たに担うことになったのです。また、この件の発注元であるクライアントは、その金融業態の情報システムを統括しているお客様になります。

  • Y.K.

    2024年にマイナンバー制度に関する法律が施行されることになり、全国の金融機関でそれに対応するシステムの開発が必要になったのです。マイナンバーシステムを構築済の金融機関では従来システムへの機能拡張・改修レベルで済んだのですが、今回のクライアントではそれが難しく、マイナンバー対応のシステムを新規につくらなければなりませんでした。我々が開発の主担当となれたのは、今回のクライアントの業務システムの開発担当組織であるNTTデータから、我々の開発力が評価されたからです。また、我々にとっても新たなクライアントの業務システムへ開発の幅を広げる絶好の機会でした。

  • H.T.

    私は入社年度にこのプロジェクトに配属されたことから、これほどの重要案件だとは当初は知りませんでした。それよりも、覚えなければならないことがいっぱいで、チューターの先輩に付きっきりに近い状態で指導を受けていました。その後、NTTデータの開発子会社にプログラム製造を任せることになったのですが、私は基本設計の仕様を細かく伝え、出来上がったプログラムのレビューを実施する役割を任されることになりました。

[ #2 ]課題解決のポイント

信用金庫で培った知見の利活用が奏功

  • Y.K.

    我々には金融機関の基幹系システム開発で豊富な実績があったため、当初は開発上で大きな問題は起きないと想定していました。ところが、思いもよらぬ難航が待ち構えていました。開発が進行している中で、仕様の大幅な変更が5回も入ったのです。本来、ウォーターフォール開発は、まずしっかりと要件定義を行い、その上で仕様を確定してから開発をスタートさせていくものであり、仮に仕様の一部変更があっても微調整レベルです。しかし今回は設計工程からやり直さなければならない場面が度々ありました。

  • N.I.

    5回も仕様変更を行うことになった主な原因は、このシステムがクライアント組織内だけで完結するものではなく、預金保険機構や他のさまざまな金融機関ともデータ連携を行わなければならなかったからです。繋ぐ金融機関が多いことから特にインターフェイスの仕様調整が難しく、スケジュールを仕切り直してでも仕様を詰め直す必要がありました。
    我々はクライアントを通して仕様調整に関する提案を行ったり、開発済みのプログラムと新仕様との整合性を図ったりと大変でした。しかし、そこはメンバーの新規開拓に挑む高いモチベーションと、培ってきた金融業務や金融システムに関する知識を総動員させることで、サービスインの数ヶ月前には結合テストを終えるなど、納期に間に合わせることができたのです。

  • Y.K.

    開発現場では、仕様変更内容に対してシステム対応するもの、しないものを整理提案して、作業量を減らす努力を重ねました。また仕様変更の内容が届き次第対応するのではなく、ある程度まとめて取り込むことでスケジュールを調整しました。

[ #3 ]NTTデータ東海のValues

最上流工程から高いモチベーションを発揮

  • N.I.

    このプロジェクトは自分たちで主導して成功に至るのだという、最上流工程から請け負う責任感がチーム内に浸透していました。特に開発リーダーを務めたY.K.の活躍ぶりは、上司として頼もしく感じました。度重なる仕様変更に、プロジェクトの進捗管理からメンバーマネジメント、顧客との調整作業まで担ったのは大変だったと思います。PMの私も、ビジネス上での利益を確保しなければなりませんから、追加コスト面の交渉を重ねました。

  • Y.K.

    メンバー全員が一丸となって、度重なる仕様変更に対処したことが大きかったですね。それに、協働で開発にあたったNTTデータの開発子会社も大きく貢献してくれました。生産性が高く品質も安定していることで、大いに助けられました。そして、この開発の窓口を担ったH.T.が急成長したことによる新人とは思えない活躍も目覚ましかったですね。

  • H.T.

    当初はわからないことだらけでしたが、自分なりに学びながらポイントを押さえていくうちに、徐々に自分の意見が出せるようになりました。プロジェクトの後半で中国側の担当者に一つの提案を行ったところ、「よく考えたね」と褒めてもらいました。キャリアの上では大先輩の方です。嬉しかったのはもちろん、自分の成長を実感し、今後に向かう自信になりました。

[ #4 ]成果とやりがい

地元の名古屋で、全国区のシステム開発を実行

  • Y.K.

    今回のプロジェクトの発注元であるクライアントは首都圏に拠点を構えるお客様ですが、訪問したのは初期の頃の数回だけで、あとはオンラインでミーティングを重ねました。開発環境もクラウド上で準備したので、地元の名古屋に居ながらにして新規開発を進められたのです。

  • H.T.

    NTTデータ、弊社、NTTデータの開発子会社の3社がタッグを組むことで、もはや東海地方の社会や産業に貢献するだけではなく、NTTデータ東海は東海地方に軸足を置きながらも、エリアを限定しないビジネスが進んでいくのではないでしょうか。

[ #5 ]展望

新規顧客開拓が成功し、発展への道が開かれた

  • N.I.

    今回の成功で、我々の顧客に今回のクライアントが加わり、事業領域を広げられました。この成功体験をさらに横展開し、他の金融ビジネスのシステム開発にも進出していく道筋が見えてきたといえるでしょう。また、NTTデータグループのオープン系フレームワークを用いたスクラッチ開発も初めてでした。H.T.のような優秀な人材も育ってきました。今後のNTTデータ東海の発展にご期待ください。